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近世代のクイズ古文書「QUIZ NEWS」

  2000年8月6日、鈴木家、舟太部屋にて、部屋主が掃除をしていたところ、第4次クイズブーム後期に記された古文書「QUIZ NEWS」が発見された。この書物が作成されてから、すでに7年もの年月が経過していたが、内容は鮮明で、すみやかに鑑識が可能な良質のものであった。

  本レポートでは、鑑識内容と併せて、この古文書を広く一般に公開する目的で、ここに紹介する。公開に至った趣旨としては、かつてあったクイズブームの折に、このような文書が流布されたことを、今日に伝えるためである。

  <16枚ある画像データは、サイズは全て「540×756」で、容量は50〜59Kbyteです。>


「QUIZ NEWS」とは?
  1993年〜94年、情報センター出版局(略称JICC、現・宝島社)が4度に渡って発行した、自社のクイズ本PRを主目的にしたダイレクトメールの内容物です。恐らく、JICCのクイズ本に折り込まれていたハガキを返送した人に送付されたものと推測されます。もっとも「NEWS」の名が示すとおり、ダイレクトメールのイメージは薄く、会報の体裁に寄った内容でした。

  ちなみに真面目な話、勝手にこんな所に載せても良いのか? という抗議を寄せる人がいるやも知れませんが、すぐ下にリンクしました1ページ目に、堂々と「無断複写・転載を許可します。」という、コピー励行の文が記されていますので、その点に関するご心配は無用です。


第1号
1993年6月発行

1ページ目
  記念すべき最初のページは、「RUQSのクイズ全書」について。クイズ界において、立命館大学クイズ研究会、RUQSの名を知らぬ者はおりません。そんな有名クイズサークルではあっても、ピンで商業用クイズ本を出すなんてことは一大事です。これを大々的にブチ上げた内容が、「QUIZ NEWS」のオープニングでした。今思うと、何とクイズバブリーな時代だったんでしょう。そういや「QUIZ NEWS」の文面は、一貫して手書きなのですが、何故にわざわざ手書きで記す必要があったんでしょうか。

2ページ目
  クイズ界のスーパーヒーロー、長戸勇人氏の独占手記です。もっともこの頃、いくらクイズブームと言っても、ブームに乗ってクイズ本を出していたのはJICCと池田書店くらいなので、クイズプレイヤーに何か書いてもらえば何でも「独占」になったんじゃないでしょうか。
  ちなみにこの「クイズは創造力(第4弾)」は、(93年)7月末どころか、現在でも刊行はなされていません。きっとアムウェイのディストリビューターという正業をおろそかにしないために、あくまで趣味でしかないクイズについて、出版社の人に迷惑を掛けることを分かっていながら、書物を完了させることを断念したのでしょう。

3ページ目
  1ページ目での「RUQSクイズ全書」、2ページ目での「クイズは創造力(第4弾)」(未刊行)の刊行が相次いで発表され、さらに「あのクイズ王の本が!?」と題して、まだまだクイズ本を出版するぞという、出版社の意気込みが感じられる内容です。しかし「あのクイズ王の本」がJICCにとってシメのクイズ本になるとは、この時、一体誰が予想できたでしょうか。
  さて内容の方は、「ウルトラクイズで脚光を浴びたN君」と、すでに長戸氏、永田さんの本が発表されている以上、クイズ好きには全く伏せ字になっていない隠し方がステキです。
  隣の4コママンガ「アキラくん」にはモデルでもいるんでしょうか。あと早押しクイズでこの答え方は、「当たってくだけろ!」の芸能人を彷彿とさせます。

4ページ目
  読者からのおたよりと、ウルトラクイズの打ち切りの噂について。「噂は噂」であるものの、悪い噂は得てして真実であることが多く、このケースも真実であり、この年、ウルトラクイズは行わませんでした。当時、1993年に18歳の大学生となった自分には噂であって欲しかったので、非常に残念な思いをしたものでした。
  ちなみに欄外の「80大学対抗ウルトラクイズ」には参加しましたが、一次予選の○×で落ちて、大量の「タブクリア」(当時、俵孝太郎のCMがやたら流れていた炭酸飲料)をいただいたのが良い思い出です。ちなみにこの番組で優勝したタマ王・小川悟さん達は、優勝賞品としてもらったはずの海外旅行には行っていないという事実を、せっかくだから記させてもらいます。
  読者からのお便りについては、「長戸さんは教師になれたのでしょうか?」という、クイズ王の身を案じる多感なお年頃の女の子からの質問などですが、その質問にはちっとも答えていません。第1号から編集者のやる気の程が伺えます。


第2号
1993年10月発行

1ページ目
  前回から4ヶ月、「QUIZ NEWS」第2号が、多くのクイズファンの手元に送られました。その最初のページは、前回伏せられていた「ウルトラクイズで脚光を浴びたN君」の正体が能勢一幸さんであることの大発表。ちなみにここで「数千通のファンレター」云々の文章が、クイズ王になればたくさんのファンレターがもらえると思った勘違いクンを大量に生み出す原動力になったとかならないとか。(ゴシップ雑誌風)
  ちなみに最後のコメント通り、7年たった今でも能勢さんはオープン大会の第一線レベルで活躍している点は、是非見習いたいもんです。

2ページ目
  はい、JICCお得意の「独占手記」です。大体の内容は、能勢さんの新刊制作に関する経緯です。まとめの所で、ウルトラクイズが終わったことによる懸念を示していましたが、この想いも虚しく、第4次クイズブームは2年を待たずに終焉を迎えてしまいました。
  ところで草ボーボーの中にいるクイズ王の写真を見ると、「緑を育む彩の国の職員」というキャプションを振っても違和感が無さそうです。

3ページ目
  ここは史上最強のクイズ王に関すること、さらに「能勢本II」に関する予告と、いたってノーマルそうな情報ばかりです。
  アキラくんの4コマ。「長戸勇人の住所とTEL番号は?」って、皇居じゃあるめぇし、個人の住所をクイズにすんなやとか、偽善者ぶってみたり。

4ページ目
  なななななんと、「クイズは創造力<RPG篇>」(未刊行)の表紙が大公開されています。でもクイズ君的には、表紙よりもその内容が気になる所であり、その部分が絶好の宣伝内容のはずですが、その点には一切触れられていません。あれれれれれ?
  「耳よりなニュース」では、日本テレビがウルトラクイズに代わる国民的クイズ番組を検討しているとか書いてありますが、少なくともこの7年間でそんなクイズ番組が行われたのか、記憶にございません。それともボクの知らない所で、「史上最強のマジカルバナナ王決定戦」でも行われていたんでしょうか。
  また、「80大学対抗戦」で「あまり有名なクイズプレーヤーの姿は見られなかった」などと、失礼千万なことを書いてやがります。編者は、有名クイズプレーヤーの有無でクイズ番組を査定しているようです。それとはまた別に、小川悟さんが有名クイズプレイヤーでは無いと断じられ、「能勢君の後輩」としか紹介されていないことが不憫でなりません。海外旅行にも行けず、無名扱いされ、ファンレター強奪事件の被害者となった小川さん、どこまで不幸なんでしょうか。
  「読者からのおたより」は、札幌市のK氏が一体誰なのか気になります。「各クイズ大会で勝ち」とあるからには、複数のクイズ大会で予選などを勝ち進めている力を持つ人と推測されますから、特定できそうな気もしますが、今はもう難しいですかな。


第3号
1993年12月発行

1ページ目
  前回からわずか2ヶ月のハイペースで発行された第3号。一面はJICCのクイズ本が10冊目となったことを記念し、「夢のプレゼント」と題して4人のクイズ王の写真付きサイン入り色紙が当たるキャンペーンの告知です。スゴイやクイズ王。サイン色紙がプレゼントの対象になるなんて。
  ちなみに私は「もう全冊持ってるし、サイン色紙も別にいらないからいいや」ってことで買いませんでした。こういうキャンペーンて普通、何らかの新刊発行時に合わせてやるモノのような気がするのですが、多分、「もう一冊、保存用に買っておけ」ということなんでしょう。そういう出版社の思惑を分かっていても買わなかったので、残念ながら私は「QUIZ NEWS 増刊号」は持っていません。

2ページ目3ページ目
  クイズ本フェアを行っていたお店の一覧です。今思うと、話のタネに一回くらい様子を見に行っても良かったかなと、ちと後悔しております。お店の中で特に気になるのが、「東京23区以外」の電気通信大学。一体、大学内の本屋で、どういうキャンペーンを行っていたのか、そもそも何で大学内の本屋でクイズ本のキャンペーンをする気になったのかが不思議です。

4ページ目
  「クイズは創造力<RPG篇>」(未刊行)が大詰めだそうです。何だか戦時中の大本営発表の様相を呈してきました。
  「読者からのおたより」は、クイズチャンピオンなどに関する同人誌が紹介されています。表紙には6人のクイズプレイヤーが描かれていますが、上段中央が永田喜彰さん、上段右側が藤村泰宏さんと推測できる以外、あとの4人が誰なのか、私の脳味噌では判断を下せません。ひょっとして、上段左側は安良興さんなのでしょうか。
  「アキラくん」は、名前は漢字で「晃」と書くことが判明します。福澤のアキラではなかったんですね。


第4号
1994年11月発行

1ページ目
  増刊号がすっ飛ばされてしまったので、11ヶ月ぶりとなる第4号です。つぅか届くと思っていませんでした。
  一面は、結果的にJICC最後のクイズ本となる「能勢本II」のこと。何故か今頃、能勢さんに関するミニデータが記されています。もしや編者が「もうこの人、忘れ去られているかも」と危惧して付け足したんでしょうか。

2ページ目
  引き続いて、「能勢本II」の記事。というか、本の序文をまんま抜き出したものです。これは「うちのクイズ本は、池田書店のクイズ本みたいに誤字・脱字はありませんよ。」というアピールでしょうか。

3ページ目
  「QUIZ NEWS」のおハコ、本紙独占手記です。大昔の「QUIZ NEWS」第1号で発表され、今の今までファンを待たせ続け、あまつさえ何人かのクイズプレイヤーにそれ用のクイズ問題を作らせたにもかかわらず、結局発刊されずじまいとなった「クイズは創造力<RPG篇>」に関しての言い訳です。シメで「この続きは本編で」とありますが、結局その本編は創造されませんでした。皮肉ではなく、ホント、残念なことです。

4ページ目
  「クイズのイベント」。コレを見て、「ウルトラクイズinWASEDA」に参加したことは今でも良い思い出だったりします。
  「アキラくん」。「独身。蓄えあり。」って、ちっとも「少年」じゃぁねぇじゃん。ところでこのアキラくんの恋が実ったのか、第5号が無い以上、今持って不明ですが、クイズブームが去ってもSさんの想いは変わらず、アキラくんは見事ゴールイン! というハッピーエンドを迎えたことにしましょう。
  「編集後記」。「JICCを名乗ってイベントをやる」という、バカオタク・三井励がやるようないたずら電話が横行中だそうです。確かに、ちょいと有名になったクイズプレイヤーの連絡先を調べることって、結構簡単なんですよね。でも電話番号が分かったからといって、いたずら電話をかけるなんてのは、小学生のやることですわ。しっかし「QUIZ NEWS」が最後に伝えたニュースがこのいたずらってのは、何だか寂しいものです。


  というわけで、ほとんど鑑識になっていなかった古文書に関するレポートはこれにて終了です。やはり気になる点では、「第5号を持っている」「増刊号を持っている」「サイン色紙が当たった」「RPG篇用の問題を作った」「実はRPG篇を持っている」といった人がどれくらいいるのかってとこでしょうか。
  長いようで短かった「QUIZ NEWS」というDMは、クイズブームが引き続いて定着していれば、クイズ情報満載の会報になれたかもしれなかったのが残念でなりません。もっとも、今ではインターネットというメディアが発達し、ネットに接続できるパソコンさえあれば誰もが情報発信できる時代だけに、果たしてクイズブーム後であっても別メディアとの競争に打ち勝てたかは難しいところでしょう。やはり「クイズで金儲けすることは難しい」というのが結論でしょうか。


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