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アニメ『らき☆すた』最終話(#24)のエンディング曲に、『愛はブーメラン』が使われたことから、この曲を主題歌としていたアニメ映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が、最近にわかに注目されている。 “にわかに”と表現したものの、『ビューティフル・ドリーマー』自体は(多少の私見を含めながらも)アニメ史に名を残す、昔からのアニメ好きには既知の名作である。『ビューティフル・ドリーマー』が公開されたのは1984年のこと。四半世紀近くも前の作品であるから、若い人が知らないのも無理無いことである。 アニメ『らき☆すた』を制作したのは、言わずと知れた京都アニメーションである。この京アニのスタッフは、どうやら『ビューティフル・ドリーマー』の影響を大きく受けている感がある。『らき☆すた』の前にも、学園祭をテーマにした『涼宮ハルヒの憂鬱』#12「ライブアライブ」において、「純喫茶第三帝国」なる名称の出店をチラッと映し、観る側に『ビューティフル・ドリーマー』を連想させている。この「純喫茶第三帝国」とは『ビューティフル・ドリーマー』に出てくる出店の名前で、ハルヒでは看板のデザインも似せている。
『らき☆すた』最終話と『ビューティフル・ドリーマー』の共通点として、“学園祭の前日”が挙げられる。いずれも「祭りは準備をするまでが楽しい」を表現しており、祭りが始まるまでのワクワク感を受け手に与えてくれる。
両方とも、学園祭が始まる直前までで話は終わるが、すぐ次に始まるであろう、本番のお祭りへ前進することを予感させる。しかし一点、異なっている。それは「ループ構造」に関連する。 なおこの論は、「ラストのチアダンスがオープニングにループしていることの暗喩である」という考え方のもとに成り立っている。なので、
1.
2. という形で、どちらに転んでも「ちょっとだけ違う」が成立する、ズルい構造になっている。 ただ、『らき☆すた公式ガイドブック』におけるインタビュー記事によると、原作者の美水かがみ氏は「ループしたりせず進んでいこう」と、『らき☆すた』ワールドが万年高校生活であることを良しとしていないので、これはちょっと穿った見方かなぁ、とも思っていたりする。
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