スタッフ 問読み:安藤正信 司会:堀江亮次、北洞貴康
1問目「明治25年、佐々木八十八(やそはち)が創業した輸入雑貨の卸売商・佐々木八十八営業部をその前身とし、大正10年、昭和天皇のヨーロッパ親善旅行の返礼として/」
ノビ「レナウン」
1問目でいきなり勝者枠が1つ減る。その後は上野さん、野瀬さんが点を取って....
4問目「広田戸七郎監督のもと、高橋昴、麻生武治、伴素彦、矢沢武雄、竹節作太、永田実の6人が参加し....」
ここで「伴素彦」という人物だけなぜか聞き覚えがある。必死にどこで聞いた名前かを思い出そうとし、結果、明日の卍企画で使うクイズの解答にいた人であり、冬季五輪関連の人ということを思い出し、同時に何を答えればよいのかも判断でき、ボタンを押す。
舟「サンモリッツ」(日本が初めて参加した冬季五輪大会の開催地)
これで1○となるが、5問目に「マックス・プランク」を正解した野瀬さん、8問目に「重光葵」を正解した大倉、9問目に「白石勝巳」を正解した中溝さんと、あっと言う間に3人が抜け、残る席2つで、成田さん、上野さん、私の3人がリーチ。これまで知っている問題をことごとく押し負けていたので、かなりイヤな状態だった。10問目は上野さんが誤答し、少しはスピードを抑えてくれたらありがたいな〜と願ったものの、11問目に「海潮音」の所で押し合いとなったとき、1×の上野さんが解答権を取って「上田敏」を正解して勝ち抜け。とうとう残る席が1つに。
12問目がスルーとなって....
13問目「小説「カルメン」の作者として知られるプロスペル・メリメのいとこでもあるフランスの理論物理学者で、1924年にパリ大学医学部に提出した学位論文「量子論の研究」で物質波の理論を提唱し、1929年にはノーベル物理学賞を受賞しているのは誰?」
はて?誰だ?私には全く見当が付かなかった。隣の成田さんを見ると、微動だにしない。これもスルーだな〜と気を抜き、5秒が経った瞬間、成田さんがボタンを押した。「ガーン。負けた。」と呆然としている私をよそに「ド・ブロイ」を正解して最後の席を成田さんがものにした。
早押しで負ける理由に、指の遅さもあるだろうが、確かな知識さえ持っていればもっと早い段階で押せる問題もあったので、今後も知識の積み重ねが課題となった。
一口メモ
2組目は林廣宣(大阪市立大学5回)さん、池田忍(慶応大学4年)の2人が1○2×で、安田光一郎(フリーター)さん、黒巣弘路(法政3年)、春日誠治(明治大学2年)、榎並谷大輔(立命館)さん、高木晃一(同志社)と続き、比較的ベテランに入る豊田治(郵便局員)さん、55位とボーダー間近で入ったQUAPS会長の豊嶋恭子さんが主なところである。
この組で注目すべき点は、京都オープン優勝タッグチームの安田さんと榎並谷さんがどんな戦いを見せるのか、QUAPS会長の豊嶋さんがどう出るのかである。
1問目「昭和29年には、統計学を利用した品質管理によって第4回デミング賞の本賞を受賞しており、昭和52年には日本山岳会の第13代会長ともなった人物で、原子力船むつの建造責任者として、また/(映画「荒野の決闘」の主題歌「マイ・ダーリング・クレメンタイン」に歌詞を付けた「雪山賛歌」の作詞者として有名なのは誰?)」
林「西堀栄三郎」
1組目同様、たった1問で林さんが1人目の勝ち抜けを決める。続く2問目は安田さんが痛恨の誤答。いきなり逆リーチで苦しくなる。3問目「アマルテア」を正解した忍が2位抜け。その後は正誤・上位下位が入り乱れて接戦の様相を呈し、私が全くのノーマークだった吉田朋靖(立命館)さんが「オトタチバナヒメ」を正解して3人目の勝ち抜け。実際、1組目の12人中上位7人しか解答権を取らなかったというのが異常で、本来の2○2×はこうした接戦が普通だから、下位陣営が正解する勝負の方が面白くなって良い。
その後は誤答とスルーが続いてなかなか勝ち抜けが出なかったが、「フランク・アルファーノ」で久しぶりの正解をした黒巣が4人目の勝ち抜けとなり、「本名井上謹一/」と、本名押しで春日が「東富士」を正解して5人目の通過者となって残る席は1つ。
?問目「昭和22年に来日し、5月24日の後楽園球場の中日対金星の試合では始球式を行っている人物で、1917年にネブラスカ州オマハに少年/」
榎並谷「フラナガン」
ここで初めて榎並谷さんが正解。次の問題を沼屋暁夫(都立大4年)が誤答して失格となり、さらに次の問題。
?問目「その孫の恭雄は魚類学者として知られる明治時代の小説家で、1890年の第1回総選挙では愛媛県から立候補し/」
これを取ったのも榎並谷さん。「末広鉄腸」を正解し、ライバルの安田さんを倒して最後の席に着いた。闘いが終わって、安田さんと榎並谷さんが熱い抱擁を交わしていたのが印象的であった。
一口メモ
3組目。慶応の科学王・西田司(慶応2年)が予選11位につけ、小川雄之(大阪市立大学4回)さんと共に1○2×のハンデをもらう。以下、仰木要一(立命館4年)さん、牟禮大造(立命館2年)、鈴木雅也(明治3年)、沼田正樹(慶応1年)、清水大輔(岡山大学2年)さん、遠藤誠(早稲田1年)、内田拓也(京都大3年)さん、そして名古屋のノーベル賞王・西詳司(大同工業大学3回)さんと、やけにフレッシュなプレイヤーが揃った。
1問目、スポーツはまかせろとばかりに「孫基禎」を仰木さんが取る。それに続く問題で....
2問目「スウェーデンの作家、カール・ラーゲルクヴィストが1951年にノーベル文学賞を受賞した時の/」
これを押したのはノーベル賞受賞者が全て頭の中に入っているという西さん。早くもその実力を見せてくれるかと衆人の期待が注がれたが、「すいません」と一言。一部に笑いが起こるも、ちと気の毒であった。
文続き「対象作品のタイトルともなっている「新約聖書」の登場人物で、ユダヤ教の過ぎこしの祭りの時、総督ポンテオ・ピラトが民衆の要求に応じてイエスの代わりに解放する囚人といえば誰?」
答「バラバ」
まっ、要するにノーベル賞とは少ししか絡んでいなかったわけである。その後は普通の展開が続く。
6問目「社交嫌いの変わり者であったため、研究の大部分を発表せず/」
これを押したのは西田。このエピソードは科学について詳しい人ならばわかることで、私もこの時点で見当は付くが、実際に押すとなると、やはり彼しかいないだろう。西田は別段変わった風もなく、「キャベンディッシュ」と事も無げに解答。これでこの組1人目の勝者となると同時に、慶応陣営から笑いが巻き起こる。まあ、このエピソードを全く聞いたことがない人は、西田の科学オタクぶりがおかしくってしょうがないだろうに。
8問目に西さんが失格した後、9問目に小川さんが2人目の勝ち抜け。10問目に沼田が「モリス・ポドロフ・トロフィー」を正解したことで、仰木、牟禮、雅也、沼田、清水、遠藤の上位6名がリーチとなる大接戦の様相を呈する。誰が抜けてもおかしくない状態で、11問目「勝手にしやがれ」を、映画を得意とする沼田が押さえ、12問目「ダモクレス」を牟禮が取り、13問目「サイクロイド」を仰木さんが正解し、たて続けに3人が抜け、一気に勝者席が1つとなる。その勢いは止まらず、14問目を雅也が取り、激しい勝ち抜け争いに一発でけりをつける。
一口メモ
4組目。串戸尚志(明治2年)、佐藤宏司(名古屋大学大学院)さんが1○2×。以下は栗田修(早稲田4回)、木村武司(大阪府職員)さん、藤井健一郎(広島大学4回)さん、神山学(早稲田2年)、横井貴史(名古屋大学4回)さん、志村真幸(慶応1年)、田中利樹(名古屋3回)、佐通雅之(大阪市立大学2回)さん、松石徹(慶応2年)と揃った。
この時点で56人の通過者が全て呼ばれ、それと同時に予選通過と敗退者がくっきりと分かれた。ボーダーラインは15点で、近似値差で57位となったのは湯川善行(立命館2年)。「六波羅蜜寺」の蜜を漢字間違いしていたそうで、これさえなければ予選通過していたことから無念だろうに。
1問目「ミッキー・マントル」を利樹が取る。
2問目「日本で発行されたものには、昭和47年2月の札幌冬季/」
アス「テートベッシュ」
利樹の1問目の余韻を残さず一閃するようにアスワンさんが押さえて最初の勝者となる。公私に渡って充実しているだけに、今後の活躍が期待される。
3問目「「参謀本部編纂の地図をまた繰開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、余りの道じゃから、手を触れるさえ暑くるしい、旅の旅の法衣(ころも)の袖をかかげて、表紙を付けた折本(おれほん)になっているのを引っ張り出した。」という書き出しで始まる、雪の夜の敦賀(つるが)の宿で、旅の僧・宗朝(そうちょう)が/」
串戸「高野聖....あっ!!」
串戸がこの組2人目の勝ち抜けとなり、同時に予選ベスト16全員が3R進出を決めた瞬間であった。ただその瞬間、串戸の頭の中では「テトロドトキシン!!」の恐怖が蘇ったのだろう。(第3回K−1体験記参照)この串戸の答え方に会場は爆笑の渦だったが、本人は笑い事ではないだろうから、今後も解けない呪縛であり続けるのだろう。4問目をおいて5問目の解答が「テトロドトキシン」であったことがその証明なのかもしれない。
その後は数名が正解をし、9問目に志村、10問目に松石の慶応勢が揃って勝ち抜け。一呼吸おいて藤井さんが5人目の通過者となり、本当の意味で3Rの席があと1つとなった。その次の問題で賭けに出た栗田が2×となって失格。次の問題は木村さんが誤答するも、最後となる問題で「早川雪洲」を正解して最後の通過者となった。
一口メモ
1問目「春の甲子園の第1回優勝校は高松商業、夏の甲子園の第1回優勝校は京都二中ですが、「「世界で一番最後の核爆弾が廃棄された日」というニュースを聞いてうれし泣きするおばあさん」という作品によって、平成4年に行われた第1回まんが甲子園で優勝した大阪代表の高校はどこ?」
いきなりの超難問。シンキングタイム中、果たして正解者は出るのかという感があった。「PL学園」「近代付属」「上宮」と、高校野球常連校が目立つ解答。だが正解は「初芝高校」と、高校野球では聞いたことがない高校。ほとんどの解答者がボードを下げる中、たった一人ボードをあげ続ける人物がいた。それはやはりと言うべきか、予選1位の課長であった。場内からは割れんばかりの拍手が巻き起こる。その後も課長は「スピードマスター」「チャルカ」「ゲイ・リュサック塔」と、計4問で単独正解。他の単独正解は「バンウォール」で橋本さん、「ペタリスモス」で牟禮と2人による2問だけであることからずば抜けた実力であることがよくわかる。
最も正解者が多かったのは「ウェストオーストレイリアン」「カール・シュランツ」で16名。これからわかる通り、全ての問題は参加者の半数以下しか正解者が出ていないのである。とは言え、正解者が1人も出なかった問題は「壺阪寺」「ジョージ・ブランダ」の2問だけで、壺阪寺は聞いたことがあるという人はたくさんいたようだし、ブランダはいつ出てもおかしくない感じの問題であった。このラウンドは超難問ではあったが、単に正解者が出ない難しい問題ではなかったので、適切な難易度調整ができていたことが伺える。
参考までに、私が“知っていた”問題は「戸田(羽黒岩)」「カール・シュランツ」「アーモリーショー」の3問だけ。知っていたと表現したのは、実際に舞台にいる状態で、それを思い出せたかどうかという問題が絡んでいるからである。ただ、シュランツは五大対抗戦の決勝で出題したからたまたま覚えていただけであり、アーモリーショーは私の卍企画の決勝早押しで使用予定(結局使用した。正解したのは舞台にいなかった栗田であった。)の問題だったから、普通の状態であったら1問しか知らなかったのである。参加者のレベルの高さを再認識するに十分であろう。
負け犬の見栄張りはさておいて、結果発表。トップはダントツの15問正解で課長。繰り返すようではあるが、2位の橋本さんが10点であることからその強さが抜き出ていることがよくわかる。
1位 山本耕造(予選 1位:シード) 2位 橋本隆弘(予選 2位:シード) 3位 牟禮大造(予選22位:3組目4位) 4位 秋田芳巳(予選 4位:シード) 5位 田中伸之(予選 9位:1組目1位) 6位 佐藤宏司(予選13位:4組目1位) 7位 鈴木雅也(予選27位:3組目6位) 8位 池田忍 (予選15位:2組目2位) 9位 大倉太郎(予選33位:1組目3位) 10位 長束恭行(予選 7位:シード) 11位 黒巣弘路(予選23位:2組目4位) 12位 春日誠治(予選26位:2組目5位) 13位 沼田正樹(予選30位:3組目3位) 14位 関口仁 (予選 5位:シード) 15位 串戸尚志(予選12位:4組目2位) 16位 仰木要一(予選19位:3組目5位) 17位 林廣宣 (予選10位:2組目1位) 18位 成田佳大(予選16位:1組目6位) 19位 上野裕之(予選17位:1組目5位) 20位 木村武司(予選21位:4組目6位)ここでシード選手が3名も脱落。今後も予想しがたい展開になりそうである。ここで科学王・西田が「シノペ」を間違えるという失態を演じ、後に「土星の第9衛星がフェーベというのは知ってたんですが」と笑いながら話していた。
一口メモ
第1組 山本耕造 串戸尚志 佐藤宏司 黒巣弘路 春日誠治 第2組 橋本隆弘 林廣宣 池田忍 牟禮大造 鈴木雅也 第3組 秋田芳巳 田中伸之 成田佳大 木村武司 沼田正樹 第4組 関口仁 長束恭行 上野裕之 仰木要一 大倉太郎
挑戦者: 予選 1位:山本耕造(自由人) 予選12位:串戸尚志(明治大学2年) 予選13位:佐藤宏司(名古屋大学大学院2年) 予選23位:黒巣弘路(法政大学3年) 予選26位:春日誠治(明治大学2年)実力的には課長が二、三歩リードして、他四人がそれに追随している。守備範囲が全く違う4人が、どう課長と戦うのか、また勝者枠2人、40問限定をどう考慮に入れて戦うのかが見物である。
18問目「1942年のジュネーブ国際コンクールのピアノ部門で優勝するなど、戦前はピアニストとして活躍したハンガリー出身のイギリスの指揮者で、31回というグラミー賞/(最多受賞記録を持つ)」
課長「ゲオルグ・ショルティ」
他のプレイヤーを一気に押さえる形でリーチ。まるで序盤は手加減していたかのような錯覚さえ起こさせる正解ぶりである。他のプレイヤーもそれに追いすがるが....
23問目「1991年3月に、ロサンゼルス市警の4人の白人警官が交通違反の黒人男性に暴行を加え、翌年4月29日のロサンゼルス議会で警官に無罪の評決が出されたため、ロサンゼルス暴動のきっかけとなった事件のことを/(黒人男性の名から)」
課長「ロドニー・キング事件」
課長が見事な横綱相撲で堂々の1抜け。残る席は1つとなる。この時点でアスワンさん4○、黒巣4○1×、串戸3○1×、春日2○。まだまだ先は長い。
24問目「作曲家フランツ・リストが「未来のパガニーニ」と評し、1876年のバイロイト祝祭劇場の柿落としの際にはコンサートマスターを務めたドイツのバイオリン奏者で、ヨハン・セバスチャン・バッハの「G線上/(のアリア」を編曲した)」
アス「(アウグスト・)ウィルヘルミ」
これでアスワンさんが5○として一歩抜け出す。27問目で串戸が「オートレッド」を「オートヘッド」と惜しい誤答で3○2×となって戦線離脱。串戸はこういった言い間違いがなければもっと上のレベルに位置できるだろうに、正直これはもったいない。この時点でほぼチャキチャキのダスっ子・黒巣弘路と、チャキチャキのアスっ子・佐藤宏司さんの一騎打ちとなった。
28問目「1848年のスクーザの戦いで、82歳の高齢にも関わらず12時間馬に乗りっぱなしで指揮を執り勝利を収めたオーストリアの将軍で、その凱旋を祝うためにワルツの父・ヨハン・シュトラウスが作曲した行進曲にもその名を残すのは誰?」
問題を読み切った時点で黒巣がボタンを押して解答権を得る。大部分の人は黒巣がすぐに正解を言うことを予期していたが、それに反するかのように黒巣は宙を見たまま「誰だっけ〜」を連呼。結局時間切れで誤答となり4○2×。「ラデツキー」というたった5文字の言葉が浮かばなかっただけで苦しい状態に陥る。ここまで残る実力者ならば「ラデツキー行進曲」は聞いたことがあるだろうに。2度の誤答が黒巣に大きな影響を与え、29問目も「アップダイク」を思い出せず、とうとう3×で失格。いつもの調子だったならば、3×分が3○になってアスワンさん達を倒して勝っていたはずだったろうが、これが勝負というものである。
逆にアスワンさんは当面の敵が消えたことで余裕を持った状態になった上、「40問限定」というルールさえも味方に付く形になった。30問目をスルーとして残り10問。
31問目、春日が誤答。明らかに焦りが見えた。
32問目、アスワンさんが解答権を取るがこれも誤答。やや歯車がかみ合わなくなってきたようである。
33問目スルー。
34問目、春日が二度目の誤答。アスワンさんがますます優位に立つ。
35問目、春日が連続で解答権を取るが、今度は確実な押しで正解。4○2×。
36問目スルー。すでに観客席に戻っていた黒巣が「何でわからないんだ〜」と地団駄を踏んでいる。
37問目、串戸が正解。春日と共に4○2×となり、アスワンさんにあと一歩と迫る。残り3問となり....
38問目「もともとは教師を目指していたが、日本住血吸虫症で療養中に彫刻を制作したのがきっかけで彫刻家を志した人物で、武蔵野市庁舎玄関脇のブロンズ像「はなふぶき」、国会議事堂中央広間の「板垣退助像」、そして長崎の平和記念/(像)」
3人の手がほぼ同時に動くが、早押し機はアスワンさんを指名した。快心の押しが決まり、笑みを浮かべつつ「北村西望!」と勝利を確実にする正解で6○1×。これによってルール上、アスワンさんが2連続で誤答しない限り串戸、春日の明治コンビの勝利は無くなった。39問目を春日が正解、40問目はスルーとなってこのラウンドの出題が終了。アスワンさんが1○差で春日をかわして2人目の勝者となった。
準決勝進出 山本耕造 佐藤宏司
一口メモ
挑戦者: 予選 5位:関口仁 (東大OB) 予選 7位:長束恭行(同志社大学OB) 予選17位:上野裕之(東大OB) 予選19位:仰木要一(立命館大学4年) 予選33位:大倉太郎(早稲田大学2年)関口さん、長束さん、上野さんのベテランに、仰木さん、大倉の学生がどう挑むかがポイント。長束さんはマンオブ他、上野さんはRYU杯、大倉は法政オープンと、オープン系大会優勝歴を持つプレイヤーが3名もいる組でもある。
7問目「頂上のみを目指す登山と違って、心身の極限を求めてより困難なルートから登ろうとする登山の思想のことを、これを主張したイギリスの登山家の名を取って何という?」
このラウンドでは比較的簡単な問題。やはりと言うべきか、全員が「ママリズム」の解答を上げた....かに見えた。仰木さんが「ママカリズム」と惜しい誤答。きっとお腹が空いてママカリが食べたかったのでしょう。8問目の「上信越国立公園」(日本で2番目に広い国立公園)で、初めて正解者無しの問題が出る。9問目に関口さんが単独正解。これで全員が単独正解した形となった。10問目も正解者無し。これでボードは終了した。
一口メモ
アタック風サバイバルに移行。ボードの結果から、関口さん、上野さん、仰木さんの3人が17点、長束さんが18点、そしてボードトップの大倉が19点。紙一重の実力差での、2点差がどう響くか。
1問目「1839年11月3日に、外相ムスタファ・レシト・パシャが起草して発布した、ギュルハネ勅令によって宣言された、旧体制から西欧的体制への移行/」
関口「タンジマート」
関口さんの先制攻撃で勝負が始まる。次に長束さんが「和田寿郎」、「ジョゼッペ・メアッツァ」、一問おいて「ライム病」を正解してトップに立つ。大倉は7問目を誤答してしまい、序盤で2点の貯金を使い果たしてしまう。8問終了時で、上野さん11点、関口さん、仰木さん、大倉の3人が12点、長束さんが16点と、明暗がわずかに分かれつつあった。
9問目からは誤答とスルーでしばらく正解が出なかったが、14問目に関口さんが久しぶりの正解。この正解で大倉を抜いて2位に立つ。その後は長束さんのみが解答権を取る展開となるが、19問目に大倉が早押し初の正解をして同点2位に付ける。
21問目「3月28日のその命日は代表作の題名から「邂逅忌」と呼ばれる、本名を大坪昇という作家で/」
大倉「椎名麟三」
この正解で再び大倉が2位に浮上。この時点で上野さん3点、仰木さん6点、関口さん7点、大倉8点、長束さん10点となった。23問目、疑惑の判定(笑)で「ベラグラ」を大倉が正解したことで3位の関口さんに2点差を付け....
24問目「その名称の考案者は創立メンバーの一人でもあるカール・シュミット・ロットルフ/」
大倉「ブリュッケ!!」
大倉が快心の押しを決めて遂にトップの長束さんに追いつく。逆に上野さんは残り1点と風前の灯。25問目に覚悟を決め、上野さんが解答権を取るがあえなく誤答。最初の失格者となってしまった。
残り4名となり、仰木さん3点、関口さん4点、長束さんと大倉が7点。残り問題数も10問、仰木さん、関口さんの逆転勝利の可能性はかなり低い。27問目は大倉、28問目は長束さんが誤答するが、29問目に長束さん、30問目に大倉が正解して全員の得点が2点減る形になり、仰木さん1点、関口さん2点と後が無くなる。
31問目「昭和43年2月24日午後3時18分、人質の一人である柴田南海男(なみお)を解放するために玄関先に出たところを、7人の刑事に取り押さえられ逮捕された、静岡県米原郡本川根町の寸又峡温泉、富士見屋旅館/」
長束「金嬉老」
これによって仰木さんが失格。関口さんも1点となった。
32問目「始めは「水の輪」というタイトルが付けられていた、1967年にニューヨークフィルハーモニー創立125周年記念のために作曲され大きな反響を呼んだ、琵琶と尺八とオーケストラのための武満徹/」
長束「ノヴェンバー・ステップス」
見事な二連取で長束さんが関口さんにもとどめを刺し、5点を残して堂々のトップ抜け。続いて3点を残した大倉が勝ち名乗りを上げた。そして私は「また卍企画の問題とかぶった....」と泣くのであった。
準決勝進出 長束恭行 大倉太郎
一口メモ
挑戦者: 予選 4位:秋田芳巳(公務員) 予選 9位:田中伸之(東工大OB) 予選16位:成田佳大(黒服) 予選21位:木村武司(大阪府職員) 予選30位:沼田正樹(慶応大学1年)百戦錬磨のベテラン5人が出揃ったこのラウンド。それでもさらに経験が豊富な、秋田さん、ノビさんの関東オープン大会優勝常連コンビが頭一つ出ているところか。
1問目「1919年にオーストリア共和国初代首相カール・レンナーの下で大蔵大臣を務めたが/」
ノビ「シュンペーター」
3問目「バイオリンの魔術師パガニーニの天才的な演奏はこの病気が理由の一つであったという/」
ノビ「マルファン症」
これでノビさんが6点で単独トップ。勝ち抜けももう目の前に迫った。4問目は秋田さんが取って5点としてそれに続く。沼田と成田さんの3点が微妙なラインである。
8セット目ボード「プッチーニのオペラ「トゥランドット」で、トゥランドット姫が出した3つの謎を解き、トゥランドット姫と結ばれる王子の名前は何?」
正解の「カラフ」を書いたのは秋田さんのみ。このセットの早押しは秋田さんに対してのみの出題となった。うまくすればこのセットで勝ち抜けられるが、無理に答えようとはせずに安全策を取って1点追加にとどめる。それでも6点となりノビさんに並ぶ。また秋田さんが安全策で押さない間、黒巣が「しょーーーぶ!!!」「押してから!!!」と秋田さんをけしかける言動をし、会場中の笑いを取っていた。
9セット目ボード「1978年12月22日に、9歳の少女レノチカ・ナコトノワを殺害してから、1990年に逮捕されるまで少なくとも52人の少年少女を強姦・殺害したロシアの殺人鬼で、「ロストフの切り裂き魔」と呼ばれたのは誰?」
「アンドレイ・チカチーロ」を、今度はノビさんが単独正解。秋田さんが「クロカチロ」と、雰囲気は伝わるも惜しい誤答。これで抜けるかが注目されるが、1、2、3問目をスルー。4問目を正解して秋田さんと同じく1点追加に留まる。
とうとう最後の10セット目。ボードの「トマス・グレアム」を木村さん、沼田がはずし、この時点で2人の勝利が消える。また、成田さんも早押しを3問正解してやっと2位の秋田さんに追いつくのである。ボード正解数から考えると、見通しは暗い。1問目にノビさんが正解をして、ようやくここで勝ち抜ける。残り3問を成田さんが取ればボード判定になったが、2問目をスルーとして決着。
準決勝進出 田中伸之 秋田芳巳
一口メモ
挑戦者: 予選 2位:橋本隆弘(神戸大学5回生) 予選10位:林廣宣 (大阪市立大学5回生) 予選15位:池田忍 (慶応大学4年) 予選22位:牟禮大造(立命館大学2年) 予選27位:鈴木雅也(明治大学3年)若手からベテランまで、バラエティに富んだ組。いずれも劣らぬ早押しの実力を持っているため、好勝負が期待できる。
1問目「その死に際して夏目漱石が/」
解答権を取ったのは牟禮。他の4人はほとんど解答できない状態。シンキングタイムが終了し、4人がボードを上げたのに続いて、牟禮がボードを上げると共に「大塚楠緒子(くすおこ)」と解答。最初は誤答判定で場内大爆笑となるが、判定側の様子がおかしい。しばらくやりとりがあった後、正解判定を出し、牟禮に3点が入った。どうやら、「楠緒子」を「ナオコ」としか正解で用意していなかったようである。これで他の4人にかなりのプレッシャーを与えられただろう。
2問目は林さんが解答権を取り正解。3問目に再び牟禮が解答権を取り正解し、早くも7点とする。4問目に、牟禮に負けじと林さんがまたも解答権を取るも惜しい誤答で一歩後退。ますます牟禮のトップが際だつ。
5問目「あの晩の夢判断をするには、私の持ってい/」
牟禮が3度目の解答権を得る。「風流夢譚」を単独正解して、とうとう10点目に。この時点で牟禮の勝利は決定的となった。
6問目に牟禮が4度目の解答権を取る。これで勝利をものにしたかとの雰囲気が漂うが、「玉錦」を「玉ノ海」と、林さんと同様のケースとなる惜しい誤答で一歩後退。牟禮はここで8点に下がったことよりも、勢いが止まったことが大きな損失だろう。これで他の4人との差は得点差のみになった。
7問目に林さんが解答権を取って正解。8問目に雅也、9問目に橋本さんが初の解答権を得て共に正解し、忍が遅れ出してきた。
10問目「社会進化論と史的唯物論を結合する立場から、段階学を提唱/」
この解答権を取ったのは雅也。他の4人の手はほとんど動かない。雅也がこの「ミューラー・リヤー」を単独正解し、牟禮に追いつく。11問目に忍が解答権を取るが誤答で自らの首を絞め、勝ち抜けるには厳しくなる。
12問目に林さんが解答権を得て正解したことで、橋本さん、林さん、牟禮、雅也の4人が横一線で並ぶ。13問目は橋本さんが解答権を得るが誤答で一歩後退。
14問目にこの早押しボードの展開を大きく変える出来事が待っていた。解答者全員がわかるポイントで林さんが解答権を得る。まず他の3人がボードを上げるが、2人が「シュバルツシルト」と答え、1人が「シュバルツバルト」と解答。(おい、おい、シュバルツバルトはドイツの森林地帯じゃね〜かよ〜)とか私は考えていた。そして林さんがボードを上げる。誰もが「シュバルツシルト」を期待していたのに、何と林さんまで「シュバルツバルト」と解答。場内から失笑が漏れる。だが、林さん本人にとってこれほどのダメージはないだろう。橋本さん同様に一歩後退し、残り問題数からして牟禮と雅也の勝利が間近に迫ってきた。それでも、1問で3点差を縮められるから、全員にチャンスは残っている。
15問目「最初の教祖はロイス・ローデン、テキサス州ウェイコ近郊のマウントカーメルに本部を置いていたカルト的教団で、1993年2月28日から5/」
解答権を得たのはやはりと言うべきかカルト宗教マニアの忍。「ブランチ・ダビディアン」を単独正解してトップに2点差に迫る。
16問目は正解者無し。17問目に雅也が貴重な早押し単独正解をして3点を追加し11点で牟禮を抜いてトップに立つ。
18問目「通算成績は106戦83勝53KO19敗4分。1949年にマルセル・セルダンに10回KO/」
再び忍が解答権を得る。それにしてもカルト宗教に続いて今度はボクシングと、忍が得意とする分野の問題がここに来て連発するとは。結局この「ジェイク・ラモッタ」は橋本さんを除く4人が正解。雅也は12点で勝ち抜けリーチ。2番手は牟禮の9点、それに忍が8点で続く。残り2問。
19問目、問題を読み切り、シンキングタイムの音楽が流れ始めてから忍がボタンを押して解答権を取って勝負に出て、「サン・ジェルマン伯爵」を見事単独正解。これで牟禮を抜いて遂に2位。それと同時に橋本さんと林さんの勝利が消える。雅也、忍、牟禮の3人が2つの席をかけて最後の問題に挑む。
20問目「1922年に、デンマークのヨハネス・シュミットによってヨーロッパ産ウナギの産卵場所であることが確認された、北大西洋のアメリカ合衆国及びバハマ諸島東方の広大な海域で/」
この解答権を取ったのは忍。他の4人でボードを上げたのは橋本さんのみで「サルガッソー」の解答。それに続いて忍が「サルガッソー!」と解答すると同時に正解を知らせる音が鳴り、4R最後の通過者二名が決定した。
それにしても忍は14問目終了時で2点だったというのに、残り6問で4問の早押しボード正解をして14点と堂々のトップ抜け。2位にはミューラー・リヤーの凄い解答以外にも確実に正解を重ね、唯一解答権を得ての誤答がなかった雅也が入った。
準決勝進出 池田忍 鈴木雅也
一口メモ
挑戦者: 予選 1位:山本耕造(2R シード :3R 1位:4R〔1〕1位) 予選 4位:秋田芳巳(2R シード :3R 4位:4R〔3〕2位) 予選 7位:長束恭行(2R シード :3R10位:4R〔2〕1位) 予選 9位:田中伸之(2R1組目1位:3R 5位:4R〔3〕1位) 予選13位:佐藤宏司(2R4組目1位:3R 6位:4R〔1〕2位) 予選15位:池田忍 (2R2組目2位:3R 8位:4R〔4〕1位) 予選27位:鈴木雅也(2R3組目6位:3R 7位:4R〔4〕2位) 予選33位:大倉太郎(2R1組目3位:3R 9位:4R〔2〕2位)以上8名が準決勝進出者。地域別では関東5人、名古屋2人、関西1人。関西勢が準決勝で次々敗退する中、最大最強の牙城が残り、関東・名古屋の強豪7人の中から対戦相手を最初に選ぶ。対戦相手は予選順位などを考慮して、関東の学生3人の誰かを選ぶだろうと予想された。さて、準決勝が始まる前、課長は「ボクと戦いたい?」と聞いて回ったそうである。忍と大倉は即座に断ったという話を聞いたが....
第1試合: 山本耕造(自由人) VS 鈴木雅也(明治大学3年)課長が選んだ相手は雅也。雅也は関西最強プレイヤーを相手にどう戦うか。厳粛なムードが漂う中、こんなやりとりがなされた。
堀江「山本耕造さん。決勝に進むのはあなたと鈴木雅也さん、どちらですか?」
課長「ボクで〜〜〜す」(場内大爆笑)
堀江「鈴木雅也さん。あなたと山本耕造さん、決勝に進むのはどちらですか?」
雅也「多分ボクです」
課長が見事なボケで雅也に先制パンチを繰り出し、準決勝最初の対戦が始まる。
1問目「平成元年からは東京電力を相手に原子力発電の分の電気料金の支払いを拒否したというエピソードを持つ日本画家で、一時期田中頼璋(らいしょう)に師事したものの、ほとんど独学で絵画を学び、昭和23年から57年まで妻の俊(とし)と共に/」
課長「丸木位里」
課長が1点先取。2問目も課長が取り早くも2−0。4問目に雅也が解答権を取るが誤答。問題を読み切って解答権を渡された課長は難なく正解して3−0。雅也に早くもコールドのピンチ。5問目に雅也が正解して1点返す。だが即座に課長が正解して4−1と再びリーチ。7、8問目はスルーとなって....
9問目「第二次大戦中には公式の戦争画家として活躍し、ロンドンの地下鉄構内に身を寄せた人々を描いた絵で注目を集めたイギリスの彫刻家で、「メキシコの雨の神」「チャック・モールの彫像」にヒントを得て1929年から制作した「横たわる/」
課長「ヘンリー・ムーア」
これで5−1となり決勝進出を決める。雅也も決勝へ行ってもおかしくない実力の持ち主であったが、なにぶん対戦相手が悪すぎたようである。それだけ課長の強さが際だっていた対戦だった。
第2試合 秋田芳巳(公務員) VS 佐藤宏司(名古屋大学大学院2年)秋田さんが選んだのは何とアスワンさん。関東の大体の人は忍を選ぶだろうと予想しており、忍自身も秋田さんが指名すると踏んでいたので、私から見て予想外の対戦となった。厳粛なムードが漂う中、こんなやりとりがなされた。
堀江「秋田芳巳さんに伺います。あなたと佐藤宏司、勝つのはどっちですか?」
秋田「わかりません」
堀江「佐藤宏司さんに伺います。あなたと秋田芳巳、勝つのはどっちですか?」
アス「多分秋田君だと思います」
アスワンさんがお笑いで一歩リードか。準決勝第2試合が始まる。1、2問目は両者誤答。
3問目「当初は、「最初の一夜」というタイトルが付けられていたが、川端康成によって改められた、病院を抜け出して自殺を図る尾田高雄を主人公とし、文壇に大きな衝撃を与えた、ハンセン病患者の北条民雄が昭和11年に/」
アス「いのちの初夜」
アスワンさんが先制点を取る。4問目スルー、5問目両者誤答の6問目、秋田さんが正解して1−1。その後はアスワンさん一歩リードで交互に点を取る展開となり、16問目終了時で5−4とアスワンさんがリード。わずか1点の差だが、17〜19問をスルーとし、そのわずか1点が秋田さんに大きく響いていた。とうとう最後の問題。秋田さんは同点にしないと負けになる。
20問目「明治24年に坪内逍遥が「早稲田文学」創刊号に、シェイクスピア脚本注、マクベス評釈の緒言を掲載したのをきっかけとして、3年に渡って森鴎外との間で争われた、近代日本最初の文学論争のことを何という?」
両者とも動きが無く、わからないようである。それでも秋田さんは解答権を取り、一縷の望みをつなぐが誤答。得点はそのままで、アスワンさんの決勝進出が決まった。最後まで接戦の様相を呈し、見応えがある勝負であった。ちなみに正解は「没理想論争」。
第3試合 長束恭行(銀行員) VS 池田忍(慶応大学4年)長束さんは当初ノビさんを指名するということを耳にしたが、ノビさんも同様のことを聞いていたので、準決勝の第1、2試合中、隣に座っていた長束さんにプレッシャーをかけていたらしい。結局長束さんが指名したのは忍。忍は同志社オープンで課長、マンオブで安藤、全日本で橋本さんと一騎打ちを戦っていずれも敗れ、その時の対戦相手が優勝しているというジンクスがあり、結局本人は優勝どころか決勝まで進んだことがないのである。もし長束さんが忍に勝てれば、このジンクス通りに優勝できるかもしれないが、忍としてもそろそろ自分が優勝したいだろう。厳粛なムードが漂う中、こんなやりとりがなされた。
堀江「それではお伺いしましょう長束恭行さん。あなたと池田忍、勝つのはどちらですか?」
長束「ヒダフミ」
堀江「池田忍さん。あなたと長束恭行、勝つのはどちらですか?」
忍「課長さん」
わかりやすさから、忍が場内の笑いを多く獲得。準決勝第3試合が開始。1問目は両者誤答。
2問目「その脚本は伊馬鵜平(いまうへい)によって書かれ、昭和15年4月13日と14日にNHKで放送された、娘の縁談を前にした母子家庭を描いた、日本初のテレビドラマといえば何?」
長束「夕餉前」
問題文を読み切ってから長束さんが解答権を取って先制。忍も即座に3問目を正解して返す。5問目からは忍、長束さん、忍、長束さんと、忍が一歩リードしながらも次の問題ですぐに追いつかれ、9問目に長束さんが正解して4−3として再びリード。その後10〜12問目は両者誤答とスルーで追加点は無し。
13問目「本名を池田潤之輔という大相撲の第43代横綱で、美男子力士としても知られ、昭和29年初場所で全勝優勝し、その雪中の優勝行進は語り草ともなっているのは誰?」
問題を読み切ってから5秒が経ちそうになったところで長束さんがボタンを押した。「照国」という解答だが誤答。解答権が忍に移る。忍は「吉葉山?」と多少自信なさげに解答するが、これが正解で、幸運にも4−4の同点に持ち込む。長束さんから見れば相手に1点プレゼントしてしまった形となり、勝負運さえも忍へ渡してしまった印象だった。14問目は両者誤答とし、
15問目「1967年に、ウガンダから輸入された実験用のアフリカミドリザル/」
忍「マールブルグ病」
これで忍が3度目のリードとし、さらに17問目を正解してリーチをかける。残り3問で2点差と、長束さんにあとが無くなる。その後長束さんは果敢に攻めるが、結局両者追加点を取れずにそのまま終了。忍が念願のファイナリスととなった瞬間だった。
第4試合 田中伸之(東工大OB) VS 大倉太郎(早稲田大学2年)待機しているプレイヤーが残り2人であることから、この対戦は自動的に決定。厳粛なムードが漂う中、こんなやりとりがなされた。
堀江「まず田中伸之さん。あなたと大倉太郎、勝つのはどっちですか?」
ノビ「勝負は時の運。どっちが勝つかわかりません。」
堀江「それでは大倉太郎に伺いましょう。あなたと田中伸之、勝つのはどちらですか?」
大倉「自分だと、信じてやります。」
4試合目にして初めてシリアスな出だし。司会の堀江もホッとしたことだろう。準決勝最後の対戦が始まる。
1問目「昭和28年のジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督による日米合作映画の題材ともなっている/」
ノビ「アタナハン!....??アナタハン」
何だか妙な出だしだったが、ノビさんが先制。続く2問目、4問目を取って早くも3−0。
5問目「アラゴーの円盤で知られる物理学者ドミニック・フランシス・アラゴーの妹を妻に持ったフランスの物理学者で、「固体元素において比熱と原子量の積はほぼ一定である」という法則に、ピエール・ルイ/」
これを取ったのはノビさん。会場の誰もがノビさんの勝ちを確信しただろう。
堀江「さあ、これで勝ちが決まるか、田中伸之!」
ノビ「....デュロン」
しかしノビさんはピエール・ルイ・デュロンしか頭に思い浮かばなかった。
文続き「ピエール・ルイ・デュロンと共にその名を残すのは誰?」
大倉「プティ」
これで大倉が1点を取ってこらえた。その後は大倉が1点差に詰めてもすぐにノビさんが引き離す点の取り合いとなり、13問目の時点で6−4とノビさんが2点リードでリーチをかける。14〜16問目は続けて両者誤答とし、
17問目「1970年代始めに1年半余りパンクロックのスター、パティ・スミスとチェルシーホテルで同棲していたことでも有名なアメリカの写真家で、ゲイのSM写真や黒人男性のヌードなどで知られ、1989年3月9日/」
ノビ「メイプルソープ」
これで7点目としてノビさんが最後の決勝進出を決める。そして私は「また卍企画の問題とかぶった....」と泣くのであった。
対戦結果 第1試合 山本耕造 5( 9問目)1 鈴木雅也 第2試合 佐藤宏司 5(判 定)4 秋田芳巳 第3試合 池田忍 6(判 定)4 長束恭行 第4試合 田中伸之 7(17問目)4 大倉太郎 決勝進出者 山本耕造 田中伸之 佐藤宏司 池田忍
予選 1位:山本耕造(自由人) 全日本クイズ選手権第4回、第5回優勝 他優勝多数 予選 9位:田中伸之(東工大OB) 第13回マンオブザイヤー優勝 他優勝多数 予選13位:佐藤宏司(名古屋大学大学院2年) 第6回法政オープン3位 予選15位:池田忍(慶応大学4年) 第6回全日本クイズ選手権準決勝進出課長とノビさん、関西と関東のスーパープレイヤー同士初の直接対決。それに名古屋の強豪アスワンさんに、念願の決勝進出を果たした忍の4人が優勝を目指す。
1問目「実際には堀部安兵衛と数度切り結んで討ち取られた、映画や演劇の「忠臣蔵」で石橋の上で足を踏ん張り近町勘六と二刀流で斬り合う場面で有名な、吉良上野助の家臣は誰?」
まずは力試しの問題。この「清水一学」を正解したのは課長と忍。その後5問連続で正解者無し問題が続き、ようやく7問目に「オバーリン大学」(アメリカ初の男女共学の大学)を課長とアスワンさんが正解して1点が入る。そして12問目に「クラ」(太平洋諸島で存在する、贈り物儀式の名称)を課長とノビさんが正解。誰かが正解するときに必ず課長も正解し、課長3点、他の3人が1点と若干の差がつく。続く13問目「ある街角の物語」(手塚治虫の初アニメ作品)を、ノビさんが決勝初の単独正解で2点目。それに対し、14問目に課長が「ベロフ」(ミュンヘン五輪のバスケット決勝で疑惑の決勝シュートを決めた選手)で単独正解とし4点目。15問目は正解者無しで終了。
ボードクイズの結果、課長4点、ノビさん2点、アスワンさんと忍が共に1点を最初の持ち点として、ダダイストカップのチャンピオンを決める早押しクイズに挑む。
序盤、ノビさん、課長、忍が順に1点を追加。それに続いてアスワンさんが解答権を取るがこれは誤答。7問目に課長が正解したことで早くも6○と、優勝まであと4つと迫る。さらに8問目も解答権を取り、もう勢いは止まらないかに見えたが、「児玉隆也」を「こじま隆也」と惜しい誤答。(「淋しき越山会の女王」の作者)
中盤に入って、ノビさんが正解を少しずつ重ね、15問目を終了したところで課長7点、ノビさん6点、忍2点、アスワンさん1点。
18問目「エーゲ海キクラデス諸島最南端の火山島で、1967年からギリシャの考古学者スピリドン・マリナトスによって発掘調査が進められ、噴火前の古代都市の遺跡が/」
ノビ「サントリニ島」
これで遂にボードの2点差を0にし、課長と共に7点で並ぶ。
20問目「大正12年の大相撲春場所の際、司天竜、太刀光、三杉磯ら関脇以下65名の力士と行司14名が相撲協会に要求を突きつけ、日本電解工場の工場に立てこもり/」
課長「三河島事件」
これで再びノビさんをリード。
21問目「夏王朝のバッキや、殷王朝の妲己と並んで亡国の悪女とされる、周王朝最後の王幽王が寵愛した女性で/」
ノビ「ホウジ」
ノビさんが再度追いつき、会場から感嘆の声が漏れる。
23問目「没後の昭和41年には、その業績に対して歴程賞が贈られた詩人で、詩集に「座せる闘牛士」「大学の留守」「軍艦茉莉」があり、/」
ノビ「安西冬衛」
先程と同様に歓声が上がり、初めてノビさんがトップに立つと共に、リーチをかける。
24問目「1970年にはノーベル医学生理学賞の候補ともなっているアメリカの医師で、1950年6月17日、シカゴのリトルカンパニーオブメイ病院で、4/」
課長「ローラー」
これで課長、ノビさんの両者がリーチ。果たしてどちらが優勝を手にするか?25問目はノビさんが早とちりをし、「わかりません」と誤答。
28問目「本名ヨハン・ミューラー、その生地であるケーニヒスベルクのラテン/」
押したのはノビさん。観衆の目が注がれる中、「レギオ・モンタヌス!」と答え、それと共に会場中に拍手が響く。
いや〜、凄い勝負でした。課長とノビさんの一騎打ち。アスワンさんと忍も参加していたのですが、スマップのドラマ班とバラエティ班のように分かれてしまいました。となると、アスワンさんが中居で、忍が香取?課長が稲垣でノビさんがキムタク?んじゃ、余った草薙は秋田さんに....それはさておき、ノビさんがとうとう西の大会でも優勝しました。しかも課長を決勝で倒して。凄いとしか言いようがないです。課長は負けたものの準優勝。それでも他を圧倒する知識を見せつけてくれました。
以上で今回のクイズダダイストカップのレポートを終わります。