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マスターズ(ミニレポート)

 この大会は1997年11月15日に、(自称)国連大学クイズサークル「ウ・タント」が主催したオープン大会です。 協力:金田浩輔


 この大会は事前にいくつかのオープン系大会において、優勝・準優勝の成績を残したプレイヤーをシード選手として招待するという、いわばグランドチャンピオン大会のような趣旨で開催された。
 この段落は個人的なものとなるが、このシード選手の選別は、結局FNSのグランドチャンピオンと同様、自分たちの都合で選別したとしか判断できない選び方であった。大体、オープンの優勝・準優勝者と言いながら、その実は自分たちが強豪と目している&優勝して欲しいプレイヤーしか選んでいるようで、シード選手を選び出すオープンを選別せずに、優勝・準優勝したプレイヤーでオープンを選んだと見られてもおかしくない選ばれ方だったのである。(実際、3度行われた藤井杯は第2回だけが選別されているし、でじま杯は選別されているのにMOPのオープン大会は全て黙殺された。)それならいっそのこと、「シード選手は自分たちが強豪と判断し、オープンのグランドチャンピオン大会を戦うにふさわしいプレイヤーを選びました。」と言ってくれた方がスッキリするというもの。テキトーな判定手段なんか用いる必要などない。
 なぜ上の段落の出来事を今更掘り返すのかというと、大会前に私はずーっと「シード選手の判断基準がおかしい」と公言していたこともある。けれどそれは自分がシード落ち(私が優勝・準優勝した3つのオープン大会は全て選考からはじかれた)したことに不満だったように取られたらしく、抗議の意を込めた出場辞退をするという噂が流れたのであった。誰が流し始めたのかは知らんが、シード選手が抗議を込めて辞退するならカッコイイが、シード落ちしたのに不満で出場辞退ってカッコ悪いんじゃないか?


1R:50問ペーパークイズ(全員→41人)

 ルール表を見ると、シードを優遇しているように見えるが、41人からはじき出されるようなシード選手などいるわけがない。当日シード選手は16人が参加したので、一般枠は25人となった。要するに、ペーパー上位に入れる16人がごっそり抜けた状態での70人→25人なので、自分の力をちゃんと出せれば枠には入るだろうと楽天的だった。
 ペーパーの問題は、問題集からの出題が中心。最近私は問題集をあまり読んでいなかったので、思い出せない問題が相当数あった。ただ、思い出せないだけならまだしも、問題集を持っていない人には手も足も出ないペーパーでは無かろうか?という別の危惧があった。ちなみに大倉太郎からあとで聞いて知ったのだが、「カークウッドの空隙」と「月旦」という滅多に聞かない2つの問題が、安藤正信著の「大造じいさんとカン」の50問ペーパーでかぶっていることを聞いて、50×50で2問も重複するかよ〜という、気になる点もあった。

<シード枠>:経歴はオープニングで紹介されたもの

順位名前サークル経歴得点
1位安藤正信QUAPS第3回K−1・第14回マンオブ優勝
第2回久保隆二杯準優勝
47点
2位牟禮大造モンキーズ第4回K−1優勝
ワールドカップ準優勝
42点
3位串戸尚志イージオス第6回一橋オープン準優勝41点
4位池田忍QUEST第7回Ryu杯準優勝39点
5位大倉太郎水の会第5回法政オープン優勝
第4回K−1準優勝
37点
6位栗田修第2回藤井杯・ワールドカップ・リベンジ杯優勝
第14回マンオブ準優勝
34点
7位黒巣弘路リバティ第6回法政オープン優勝
第5回Ryu杯準優勝
8位神野芳治KQK第4・5回明治オープン準優勝33点
9位西田司KQK第6回法政オープン準優勝32点
10位横井貴史QUAPS第1回同志社オープン準優勝28点
11位増田秀直イージオスリベンジ杯準優勝26点
12位上野裕之クイズ部第4回Ryu杯優勝
第6回Ryu杯・第2回K−1準優勝
13位舛舘康隆KITAN第13回マンオブ準優勝24点
14位渡辺徹リバティ第1回でじま杯優勝21点
15位新井浩KITAN第5回明治オープン優勝
16位山本剛クイズ部第4回法政オープン準優勝

<一般枠>

順位名前サークル得点
1位井上幸治イージオス32点
2位鈴木雅也イージオス
3位能勢一幸クイズ部30点
4位半田茂幸イージオス29点
5位鈴木舟太27点
6位堀滋KQK
7位木下良太KQK
8位春日誠治イージオス26点
9位松石徹KQK
10位塚本丈二水の会
11位若林一也フロンティア
12位西岡能範イージオス
13位丸山淳KITAN
14位北洞貴康QUAPS25点
15位東大輔グランドスラム
16位神山学
17位吉屋大樹KQK
18位日高大介KQK24点
19位舟橋貴之KQK
20位宮澤大輔駒澤大学23点
21位中村ひさし東洋大学
22位駒形哲郎一橋大学21点
23位大村哲也またんごの森20点
24位松村憲昌イージオス
25位鷹羽寛グランドスラム19点

 以上41人がペーパー通過者。
 シード枠のトップは安藤で47点とブッチ切り。間違えたのがわずか3問で、2位の牟禮に5点差を付けてと、桁外れの知識量&記憶力である。また、シードの上位9人はそのまま全体の上位9人となり、シード全員が通過枠の41位以内に入っているので、シード選手の強さを計るに十分であった。
 一般枠でトップを取ったのはこーぢ。私同様、ペーパーで上位通過はするが、トップはどうしても取れなかったこーぢが遂に脚光を浴びたのだが、実は採点ミスで雅也がトップだったことは大会後に発覚することになる。


シードR:連答ポイントアップクイズ(シード10人→5人)

挑戦者
安藤正信
牟禮大造
串戸尚志
池田忍
大倉太郎
栗田修
黒巣弘路
神野芳治
西田司
横井貴史
 シード選手のペーパー上位10人がこの早押しに挑む。序盤戦は誤答が目立ち、8問目で横井さんが早くも失格し、11問目の時点で忍、神野、黒巣、牟禮の4人が1×。
 中盤戦に入っても横一線の状況が続き、19問を終わった段階で栗田、忍、安藤、西田、串戸、大倉の6人が+2で並び、誰が勝つのか予想できない接戦。
 20問目「山川菊栄」を正解した安藤が+3に一番乗り。残り問題数が10問となった21問目、得意のNBA問題で黒巣がようやく+1、22問目はトップ集団にいた忍が失格し、23問目「マイヨール」で連答権をまだ持っていた黒巣が二連取を決め、一気に+3として安藤と並ぶ。さらに24、25問目「キーナン」「星亨」を串戸が二連取して黒巣と安藤に並ぶやいなや2点差を付けて単独トップとなり勝ち抜けを決定的にする。
 残り1問の時点で串戸5点、安藤4点、栗田・黒巣3点の4人が勝ち抜け決定。残るは2点の大倉、神野、西田、1点だが2点目を取ればペーパー順位で先の3人を追い越せる牟禮と、残った4人全員に最後までチャンスがある美味しい場面だったが、牟禮が無茶押しして誤答をし、神野と西田の逆転の芽をつみ取った上で、会場の笑いを取りながらあっさり決着。
1位 串戸尚志 +5
2位 安藤正信 +4
3位 栗田修  +3(6位)
4位 黒巣弘路 +3(7位)
5位 大倉太郎 +2(5位)
   神野芳治 +2(8位)
   西田司  +2(9位)
   牟禮大造 30問目失格
   池田忍  22問目失格
   横井貴史  8問目失格


2R:アップダウンクイズ((12人→5人)×3)

A組B組C組
牟禮大造池田忍神野芳治
増田秀直横井貴史西田司
上野裕之舛舘康隆渡辺徹
井上幸治山本剛新井浩
丸山淳能勢一幸半田茂幸
春日誠治堀滋鈴木舟太
木下良太松石徹塚本丈二
鈴木雅也西岡能範若林一也
北洞貴康東大輔神山学
舟橋貴之日高大介吉屋大樹
宮澤大輔中村ひさし駒形哲郎
鷹羽寛松村憲昌大村哲也

<A組>
 1問目、丸山さんが誤答でいきなり苦しい出だし。序盤は一般枠の通過者が健闘し、9問目で+2と最初にリーチをかけたのはボラ。その直後に上野さん、牟禮、増田とシード組が立て続けにリーチをかけ、さらに春日も加わって5人がリーチ。
 18問目、上野さんが会心の一撃で「ベアマン」を正解して、シード枠下位の汚名を晴らすトップ抜け。
 残り問題数が10問を切り、こーぢ、雅也のペーパー1位、2位がリーチをかけ、さらに丸山さんも加わり、リーチが何と7人。25問目、満を持した形で春日がようやく2位で抜けると、雅也、丸山さん、そして最後に牟禮と、4問連続で勝ち抜けが決まった。

<B組>
 A組とはうって変わって誤答が目立ち、やや見応えに欠けた展開。3問目で舛舘さんが早くもリーチをかけたが、9問目に惜しい誤答で0点に逆戻り。その後、14問目にして忍がようやく2人目のリーチとなるが、こちらも誤答で勝ち抜けできず、オマケに2×で失格。ここまでリーチをかけたのはたった2人で、その上に両者とも誤答で勝ち抜けられずという最悪の展開。
 20問目に横井さんが3人目の+2となり、22問目に西岡もリーチ。23問目、西岡が解答権を取ると、誰もが三度目の正直を望む中、期待に応えてようやく勝ち抜けを決めてくれた。
 24問目、東さんがリーチをかけ、残り問題数からして待っていても勝ち抜けられるはずだったが、26問目に2×としてしまい失格。27問目で中村さんが+2として横井さんに追い付き、2人の勝利は確定。29問目、ここで初めて解答権を取った能勢さんが正解し、ただ一人0×での+1とし4人目の枠に入る。30問が終了し、+1で1×の中で、ペーパー成績が最も良かった堀滋が最後の席に着いた。

<C組>
 1問目「小宮豊隆」を駒形が会場中を湧かせる正解で先制。4問目で新井さんが早くもリーチをかける。8問目で半田が新井さんに続くと、12問目で「カール・ブッセ」を正解しトップ抜け。さらに16問目でリーチをかけた神山も21問目「ゴトランド島」を正解して2位抜け。
 神山が2抜けした直後の22、23問目「藤原歌劇団」「パルムの僧院」を西田が連取して3位抜け。この時点で新井さんと神野、24問目に塚本もリーチをかけ、3人がリーチ。塚本が勝てば金星だったが、ここでは2人のシード選手が意地を見せ、25問目に神野、26問目に長い間待っていた新井さんが+3として勝ち抜け。
 私はこの組にいたのだが、皆の早押しのレベルの高さに付いていけず、挑戦者12人のうちただ一人1問も正解できずに敗れ去っていた。

順位A組B組C組
1位上野裕之西岡能範半田茂幸
2位春日誠治横井貴史神山学
3位鈴木雅也中村ひさし西田司
4位丸山淳能勢一幸神野芳治
5位牟禮大造堀滋新井浩


3R:ボードクイズ

挑戦者
安藤正信
牟禮大造
串戸尚志
大倉太郎
栗田修
黒巣弘路
神野芳治
西田司
鈴木雅也
能勢一幸
半田茂幸
横井貴史
堀滋
春日誠治
上野裕之
西岡能範
丸山淳
神山学
中村ひさし
新井浩
 3Rに残ったのはシード枠10人、一般枠10人とちょうど半々。まぁ、ここまで来たプレイヤーだけに、シードだ一般枠だとこだわる必要もないだろう。
 ルールは単純な1問1点のボード。難度の高い問題が揃えられていたが、それをいとも簡単に正解していく挑戦者には脱帽した。一番正解者が多かったのは14人正解の「比叡山高校」で、逆に正解者0問題は4問だけと、難度の高い問題以上に挑戦者のレベルの高さに驚いた。

問題数&解答






西







西




1ニューヨーク・トリビューン
2アップルトン       
3岡本唐吉         
4比叡山高校        
5マルティン・ボルマン   
6南梅吉          
7フェレル         
8大泉サロン        
9グリンメルスハウゼン   
10ふじみや旅館      
11ミュラー・リヤー    
12河野実         
13グラディアトール    
14吉野源三郎       
15庭野日敬        10
16内田勇三郎       11
17接吻の門        
18グライアイ       
19共同印刷        12
20西沢潤一        1310
21フランク・マッカーシー 10
22群像新人文学賞     
23天児牛大        141110
24ハリエット・レイン   12
25ミラー・ユーレイの実験 
順位            1113141915162017121018
問題数&解答






西







西




 ここでちょっと2つほど話題にしたいことがある。
 1つは、「天児牛大(あまがつうしお)」(全身白塗りで踊る舞踏集団・山海塾を結成した舞踏家)で上野さんが「ペンタゴン」(漫画「キン肉マン」に登場する全身真っ白の超人)と解答して大爆笑を取ったのを始め、最下位で敗れはしたものの「笑いの敢闘賞」でもあげたくなるくらい珍解答で笑いを取っていた。
 もう1つはちょっと深刻なもので、「庭野日敬(にわのにっきょう)」(立正佼成会の創設者)で正解を「庭野日教」と当日は発表し、「庭野日敬」と漢字で解答し正解をしていた鈴木雅也と新井浩さんに誤答判定を出してしまったこと。両者とも正解していても大勢に影響はなかったものの、これで勝敗が変わっていたらどうなったことやら。

 さて、結果はペーパー同様に安藤がトップ。2位もまたペーパー同様に牟禮が入り、3位には大倉と、弟子2人が師匠に続く形となった。4、6位は一般枠から雅也と丸山さんが上位に入る健闘を見せ、栗田、神野、横井さん、黒巣のシード選手は順当なところ。10位にここ最近赤丸急上昇中の中村さんが入り、11位はK−1のボードではトップだった串戸が意外と下位に低迷し、最後の12位には神山が滑り込んだ。
 ボード終了後、準決勝のコース別で、どちらを選択するかを、このラウンドの成績順に決めることとなった。その結果は、以下のように決まった。

1位安藤正信A:早押ボード
2位牟禮大造A:早押ボード
3位大倉太郎B:通過クイズ
4位鈴木雅也A:早押ボード
5位栗田修B:通過クイズ
6位丸山淳B:通過クイズ
7位神野芳治B:通過クイズ
8位横井貴史A:早押ボード
9位黒巣弘路A:早押ボード
10位中村ひさしB:通過クイズ
11位串戸尚志B:通過クイズ
12位神山学A:早押ボード


準決勝A:早押しボードクイズ

挑戦者
安藤正信
牟禮大造
黒巣弘路
鈴木雅也
横井貴史
神山学
 1問目、長い書き出しが読まれたあと、「主人公の尾田高雄」が読まれると同時に安藤が解答権を取り、自分が主催したダダイストカップでも出題した「いのちの初夜」を難なく早押し正解。2問目は得意の映画問題を牟禮が速攻で解答権を取り、「ドクトル・マブゼ」を単独正解し、安藤・牟禮の師弟コンビがワンツーを決めるのではという雰囲気が漂う。
 3問目は横井さんが早押し正解。4、5問目で神山が2問連続で早押し正解し、0点から一気に+6とする。この時点で牟禮と神山が6点でトップ、安藤4点、横井さん3点で、1点の雅也と0点の黒巣がスタートダッシュに遅れる。
 神山の二連答に触発されたか、今度は安藤が二連答。この間に牟禮も1点加え、安藤10点、牟禮7点で再び師弟が1位、2位の態勢となる。
 8問目、ここまで燻っていた雅也が出生と飼い主が読まれた時点で解答権を取り「バック」を単独正解。ちなみに安藤、牟禮、神山と先頭集団の3人が揃って「リー・チンチン」と答えたのには笑った。さらに雅也は9問目の「ウージェーヌ・イザイエ」も単独正解し、二問連続の単独正解で神山を抜いて牟禮と2位で並ぶ。
 10問目、雅也が迫りながらも、安藤が「ナダール写真館で開かれた展覧会に対するルイ・ルロワの記事が掲載」の確定ポイントで確実に解答権を取り、「シャリバリ」を早押し正解してこれで13点とし、リーチをかける。この問題で雅也が牟禮を逆転したが、続く11問目は牟禮が早押し正解して三たび安藤−牟禮態勢に入ると同時に、安藤が14点として決勝進出を目前とする。
 12問目、「ニュートリノ」のキーワードを頼みに雅也が解答権を取り「パウリ」を正解するも、安藤もまたボード正解。これで安藤が15点に到達し決勝進出一番乗りとなった。残る席はあと1つとなり、この時点で2位は雅也で12点、3位は牟禮で11点とわずかに1点だが、雅也は早押し正解1つで勝ち抜けられるリーチ状態なので、この1点の差は大きい。
 13問目は「すとれぇ〜がしょぉ〜」(ストレーガ賞)と、黒巣がファイト溢れる解答をして初の早押し正解。14問目は横井さんが

14問目「剣術家としては北辰一刀流の使い手だった/」

と、問題が読まれた直後で解答権を取り「佐々木隆興(たかおき)」を単独正解し、会場を大いに湧かせ、勝負をしているのは雅也と牟禮だけではないことをアピールする。
 15問目、今度は牟禮が

15問目「本名ジェイキー・ラービノヴィッツ/」

と本名押し。他4人には想像すら付かず、この「ジャック・ロビン」を牟禮が単独正解し、14点と雅也を逆転すると同時にリーチをかける。ただ、雅也は13点であるため、雅也が早押し正解して牟禮のボード正解が同時だった場合は16対15となるため雅也の勝利となってしまうという、微妙な関係である。
 16問目は横井さんが攻めるが誤答。17問目、解答権を取ったのは牟禮。雅也は勝負は決まったという表情で諦めながらも「夜への長い旅路」を解答。最後に解答権を得た牟禮が「夜への長い旅路」と答えると同時に正解音が鳴らされ、最後の最後で雅也を振りきって勝利を手にした。

問題数&解答安藤正信牟禮大造黒巣弘路鈴木雅也横井貴史神山学
1いのちの初夜       ☆ 3○ 1
2ドクトル・マブゼ     ☆ 4
3茅誠司          ○ 5○ 1☆ 3
4深夜叢書         ○ 4☆ 3
5ディオファントス     ○ 6☆ 6
6ビンツェンチオ・ペルージア☆ 7
7天竜三郎         ☆10○ 7○ 4
8バック          ☆ 4
9ウージェーヌ・イザイエ  ☆ 7
10シャリバリ       ☆13○ 8○ 5○ 7
11南木佳士        ○14☆10○ 9
12パウリ         ○15勝○11○ 1☆12
13ストレーガ賞      −−☆ 4○13
14佐々木隆興       −−☆ 8
15ジャック・ロビン    −−☆14
16チャーリー・コミスキー −−× 5
17夜への長い旅路     −−☆17勝○14

1位 安藤正信
2位 牟禮大造
 終わって見れば安藤−牟禮の師弟ワンツーで決定。神山、雅也の関東の若手は接戦を演じながらも2人の前に敗れた形。横井さんは最後まで勝負を諦めなかったが、トップ争いに関われなかったことが悔やまれる。黒巣は....いいや。


準決勝B:通過クイズ

挑戦者
串戸尚志
大倉太郎
栗田修
神野芳治
丸山淳
中村ひさし
 1問目は栗田が、勘違いをしたか誤答でいきなり1×を付ける。2、3問目の「ジョージ・アリス」「山本実彦」は串戸が二連答で、開始3問で早くも通過席に立つ。

4問目「地元の伝説によれば、昔インディアン達がここで儀式を行っていた際、神を汚すようなことを言ったために神の怒りに触れて皆死んでしまったときに、たった一人だけ生き残った老婆の名にちなんで名付けられたという、アメリカマサチューセッツ州コンコードの森にある湖で/」
串戸「ウォールデン湖」

他の5人が全く反応できないうちに串戸が解答権を取り、この「ウォールデン湖」を正解してわずか4問で通過クイズをトップ抜け。あとで聞いたところ、大会アンケートで一番印象に残ったプレイヤーは、ここで強烈な勝ち抜けを決めた串戸がダントツだったそうで、それほどのインパクトを観客に与えた勝利だった。
 残された挑戦者にとっては、5人→1人の通過クイズを戦わされるのと同じような状態となった。そんなわけで串戸勝ち抜け直後は平たい展開で、中村さんを除く4人がリーチをかける。10問目に「田口利八」を正解した大倉が、残った5人の中で最初の通過席に立つ。大倉の通過クイズとなる11問目、「フランソワ・ヴィドック」を栗田が正解して阻止し、入れ替わりで通過席に立つが、12問目に「プラウト」を大倉が正解してお返しをする。
 15問目、大倉、栗田の2人の潰し合いを縫って神野が+2として通過席に着く。神野の通過クイズとなる16問目は、問題文が読み切られそうになってスルーになる直前、「アンドレイ・ベールイの代表作」という問いに大倉が解答権を取り「銀の鳩」を正解して阻止。
 これで大倉が、栗田、神野を阻止した2つの正解で2度目の通過席に立つ。17問目、栗田が得意とする天文問題を誤答で2×となり厳しくなる。

18問目「当時の支配人はリチャード・ドミリー・カート、それまでオールドリップ劇場を使用していたウィリアム・ギルバートと/」
大倉「サヴォイ」

栗田の誤答により大倉が気分的に楽になったか、基本に忠実な押しで解答権を取り、「サヴォイ劇場」を正解して最後の決勝進出者となった。

<通過席での攻防>
 4問目 串戸1回目 「ウォールデン湖」     串戸勝ち抜け
11問目 大倉1回目 「フランソワ・ヴィドック」 栗田阻止
12問目 栗田1回目 「ウィリアム・プラウト」  大倉阻止
16問目 神野1回目 「銀の鳩」         大倉阻止
18問目 大倉2回目 「サヴォイ劇場」      大倉勝ち抜け

1位 串戸尚志
2位 大倉太郎
 早押しボードが牟禮と雅也らによって接戦だったのに対し、通過クイズはあっと言う間に決まった。中村さんと丸山さんは勝負争いに関われず、栗田と神野もイマイチ接戦を演じたとは表現できない負け方。逆に勝った串戸と大倉が群を抜いて強かったということだろう。


決勝:ボード+早押しクイズ

挑戦者
予選1位:安藤正信
シードR:2位、3R: 1位、早押ボード:1位
予選2位:牟禮大造
2RA組:5位、3R: 2位、早押ボード:2位
予選3位:串戸尚志
シードR:1位、3R:11位、通過クイズ:1位
予選5位:大倉太郎
シードR:5位、3R: 3位、通過クイズ:2位
 説明不用の強豪4人が揃った。これまでの戦いを見てきて、優勝者を予想することは困難だが、あえて挑戦者に「優勝するのは誰か?」という質問がなされた。その結果、

安藤「ぼくです」
牟禮「安藤さん」
串戸「やっぱり安藤さんだと思います」
大倉「んじゃ、安藤さん」

優勝者予想は安藤の満票となった。いいのか?これで。
 まず前半戦となる10問のボードクイズ。1、2問目は全員不正解。3問目、「「夏の花」「廃墟から」と共に原民喜の三部作をなす作品」を答えさせる問題で、安藤と大倉が「壊滅の序曲」を正解して1点ずつを先制。
 4〜9問目は、7問目に「加賀大介」を答えさせる問題で大倉が「加賀ゆうすけ」と惜しい誤答をした以外は、ほとんどまともな解答ができない難問揃いで、追加点は入らず。
 最後の10問目、「ピトケアン島の中心都市に名を残す、バウンティ号の生き残り」を答えさせる問題は、挑戦者には簡単だったか、安藤を除く3人が「アダムズ」を正解し、前半戦は大倉が2点、他3人が1点で後半の早押しに挑むこととなった。

1問目「副題は、「私がパリで会った天才/」
大倉「アリス・B・トクラスの自伝」

 大倉が早押し1問目を正解し、3人に2点差を付ける。このまま大倉に独走はさせじと串戸が1×を付けながらも6問目に「大江卓」を正解して3点で大倉に追い付く。そして安藤、牟禮もまた追い付き、14問目の時点で4人が3点で並ぶ。大倉は1問目の正解から解答権を取っていないが、他のプレイヤーが強気でいるということは誤答が多くなり、後々誤答失格に苦しむことになるから....という考えがあった。

15問目「死んだ翌年にニューヨーク近代美術館で開催された/」
安藤「ダイアン・アーバス」

 最初に4点目を挙げたのは安藤。さらに17問目で5点目を挙げて2点差を付けてのトップに立ち、18問目は牟禮が正解して早押しボードの時と同様の態勢を作る。が、追い風は時として転覆の危険も孕んでいる通り、勢いに乗って攻めに出た安藤が19、20問目を連続誤答。これで大倉を除く3人が2×を付け、まだ0×である大倉の思惑通りの展開となった。
 22〜24問目、沈黙を続けた大倉が突如として攻めに転じ、「加藤文太郎」「石本喜久治」「ティル・オイレンシュピーゲル」を三連取し、安藤に追い付いた直後に抜き去って6点で単独トップに立つ。さらにスルーを1問挟んだ26問目「呉秀三」を正解して大倉が7点目で再び独走態勢に入る。27問目、問題が読み切られたあとで安藤が解答権を取るが惜しい誤答で3×となって、この段階であと1つの誤答で失格となる苦い状態となる。
 29、30問目で串戸が二連取をして、牟禮を抜き去り、安藤に並ぶ。31問目は大倉が初めて誤答。32問目は安藤が正解して大倉に1点差に迫るも、33問目は大倉が正解して再び安藤に2点差。この時点で大倉8○1×、安藤6○3×、串戸5○2×、牟禮4○2×。得点的に大倉の優勝が九分九厘決まった状態であった。
 問題数制限の半分を過ぎたあたりから、誤答のトラブルで強気に攻められなくなったためか、問題が難しくなったためか、突如としてスルーが多くなる。こうなると勢いづくことは難しいので、なかなか大倉に追い付く機会は得られず、41問目でやっと安藤が7点目を挙げて1点差に追い付く。だが大倉は安藤の追撃に併せるかのように、45問目に「モーツァルトに影響を与えた「セビリアの理髪師」を代表作に持つ作曲家」を答えさせる問題で「(ジョバンニ・)パイジェルロ」を正解し、9点目としてリーチをかける。
 大倉のリーチに対し、最後の賭けに出たのは牟禮。49問目に3×となりながらもチャンスと見るや解答権を取って正解をし、55問目で8点目を挙げて大倉に1点差に追い付く。だが追撃もここまで、58問目にとうとう4×となってしまい失格。
 その後、安藤と串戸は結局追い付くことはできず、優勝者が決まった状態で最後の60問目は読まれる。問題文が「ジョン・デズモンド・バナールの著書で」というポイント部で大倉が解答権を取り、最後の問題で優勝に花を添えるかに見えたが、大倉の口からは「肉体....」と出て、理由が分かる人の笑いを誘った。
 結局最後の「宇宙・肉体・悪魔」は正解できなかったものの、9点で堂々トップの大倉太郎が、マスターズの優勝者となった。

優 勝 大倉太郎 9○2×
準優勝 安藤正信 7○3×
3 位 串戸尚志 7○3×
4 位 牟禮大造 8○4×
 決勝戦は挑戦者4人全員が好勝負を見せ、甲乙付けがたかったものの、やはり作戦面で一歩秀でた大倉が優勝をかっさらった結果となった。

 大会を総括すると、前半のラウンドはクイズ問題集が中心、後半のラウンドはクイズ問題集から派生させた形の出題が中心のようだった。きちんとした段階を踏んで、最後まで残った強豪に難問を競わせるという形式は良かった。
 その反面で、観客をモロに置いていっているのでは無かろうか?という疑問も浮かんだ。なぜなら、予選の成績を見て分かるとおり、この段階で半数程のプレイヤーが問題に付いていけなくなっているからである。それに、この大会は事前に超難度のクイズ大会と銘打って宣伝していたわけだから、レベルに付いていけないことを見越しての出場回避者が少なくないはず。要するにそうしたプレイヤーを除いてもこの結果だから、問題集を読んでいないプレイヤーには訳が分からなかったんじゃ無かろうか?と思わずにはいられないのである。とは言っても、最初からこの超難度のクイズを銘打っていたわけだから、主催側の考えとしては成功したと言える出来だろう。でも、理解できる人が少ないクイズによるクイズ大会が、本当に成立するものなのだろうか?と、私の中では燻っている。


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