【『紫檀楼古木(紫檀楼古喜)』大雑把なあらすじ】
狂歌師の紫檀楼古木は羅宇問屋を営んでいたが、
番頭に商売を任せきりにしたところ失敗し財産を失う。
零落した古木は、羅宇屋で生計を立てていた。
(*羅宇はキセルの部位)
古木がある邸宅で女中に呼び止められ、
キセルのすげ替えを頼まれる。
古木はこれを手入れし、
最後に自分で一度吸ってみて確認をする。
手入れされたキセルを御新造が早速吸おうとすると、
女中は羅宇屋がキセルを吸ったことを話す。
御新造が窓の下から羅宇屋を見ると、
汚らしいむさいお爺さんであることを確認し、
女中と共に悪口を言い合う。
悪口が聞こえた古木は狂歌をしたため、
女中を介してこれを御新造に渡す。
御新造は文字が綺麗であることを褒めつつ、
書かれた歌を読んでみる。
「牛若の御子孫なるか御新造の我をむさしと思い給ふて」
むさいと評したことを見事な歌にしてきたことに、
御新造は感心して返歌を詠む。
「弁慶と見たはひが目かすげ替えの鋸もあり才槌もあり」
受け取った古木は、自分の持つ道具を弁慶と
引っかけたいい歌だと感心し、さらに返歌を詠む。
「弁慶にあらねど腕の万力はきせるの首をぬくばかりなり」
受け取った御新造は、歌の最後に「ふるき」の文字を見て、
羅宇屋が自分の主人の歌の先生の先生であることに気付く。
「紫檀楼古木」 三遊亭圓生(29:11)
三遊亭圓生 「紫檀楼古木」(28:18)