【『道灌』大雑把なあらすじ】
八五郎がご隠居を訪ね、世間話をしていると、
太田道灌を描いた絵の話になる。
道灌が狩りの途中、村雨に降られ、
あばら屋に住むみすぼらしい少女から雨具を借りようとする。
少女はお盆に山吹の枝を乗せて、恥じ入るのみであった。
道灌は意味が分からずにいたが、お付きの者が解説をする。
兼明親王が詠んだ歌「七重八重 花は咲けども 山吹の
実のひとつだに なきぞ悲しき」に掛かっており、
「雨具は蓑(みの)一つだに無くて悲しい」
という意味であると伝える。
道灌は歌道に暗い自身を恥じ、
後に歌道に励んで歌人としても名を為すことになったという。
この話を聞いた八五郎は、友人によく雨具を貸す機会があるので、
一つ真似をしたくなってきた。
ご隠居から歌を教えてもらって帰宅する途中、
ちょうど雨が降り始めてきた。
八五郎が家で雨具を借りに来る友人を待っていると、
雨具を備えた友人が提灯を貸して欲しいと言ってきた。
道灌の真似をしたい八五郎はわがままを言い、
友人は雨具を借して欲しいと言い換える。
八五郎は待ってましたと、先程教えてもらった歌を友人に伝える。
道灌 小さん(29:22)