【『佃祭』大雑把なあらすじ】
1769年(明和6年)3月4日に実際に起きた
佃の渡し船転覆事故を下敷きにした噺。
祭り好きな次郎兵衛が佃祭りに出かけようとしたところ、
大変な焼き餅焼きの妻から浮気と決めつけられ、
焼き餅を焼かれつつ佃島へ行く。
次郎兵衛は祭りを最後まで満喫した後、
妻が待っているからなるべく早く帰るため、
急いで混雑気味の最終の渡し船に乗ろうとする。
そこへ一人の女から呼び止められ、
次郎兵衛は渡し船に乗り損ねる。
女は3年前、お金を紛失して自殺しようとしたが、
次郎兵衛に止められた上、お金までいただき
助けてもらった者だという。
次郎兵衛もそのことを思い出すが、
今はすぐに帰りたい事情を話すと、
女は佃島の漁師に嫁いでおり、
いつでも船は出せると言って安心させる。
次郎兵衛が女の家で漁師の夫らと話しをしていると、
先程の終い船が転覆して、乗客全員溺死の知らせが来る。
次郎兵衛は3年前の人助けのおかげで、
今度は自分が命拾いしたと女に感謝する。
転覆事故の知らせは次郎兵衛の自宅周辺にも届き、
長屋の一同や家族らは、
すっかり次郎兵衛が溺死したものと思って
葬式の準備を始める。
佃祭 2 :古今亭志ん朝.wmv(44:25)