【『紋三郎稲荷』大雑把なあらすじ】
「紋三郎稲荷」とは、
今の茨城県笠間市にある笠間稲荷神社の通称。
常陸国笠間藩を治める牧野家の家臣・山崎平馬が
寒い日に遠出をするので、防寒具の一つとして
狐を一匹まるごと使った毛皮を身に付けて出発する。
平馬は道中、客待ちをしていた駕籠屋の駕籠に乗る。
駕籠の中で平馬がうたた寝していると、
狐の毛皮の尻尾が駕籠からはみ出してしまう。
これを見た駕籠の担ぎ手2人が、
平馬の正体は狐ではないかと話し出す。
駕籠の中にいた平馬はこれを聞いて、
毛皮の尻尾を動かしたり、いなり寿司を食べたりする。
平馬が自分を狐が化けている存在のように演出した結果、
駕籠屋は平馬を紋三郎の眷属であると信じ切る。
駕籠が松戸の宿に到着する。
平馬が泊まる宿の主人は、
笠間稲荷の敬虔な信者であった。
駕籠屋は主人に、
平馬のことを紋三郎の眷属であると伝える。
これを聞いた宿の主人は、
平馬を紋三郎の眷属と信じて、恭しくもてなす。
この対応に平馬は、
駕籠屋が宿の主人に吹き込んだことに気付く。
さらに近隣の者が宿に大勢集まり、
参詣を望んでいるという。
紋三郎稲荷 五代目柳家小せん(25:28)